2004/6以前

読書ノートをつけはじめたのは2004年7月からですが、もちろんその前にも、たくさん本は読んでいます。でも時間を遡って読書ノートをつけられるものではありません。絶対に無理!ただ、あるネットサークルの「書名しりとり」に、数冊の紹介を書きました。お勧めの本ばかりという訳ではありませんが、リストには入れておきます。

 

風の谷のナウシカ宮崎駿

いきなりコミックですが、このシリーズはいいですね。圧巻は、最終第7巻。「人類の唯一の希望である、壮大かつ崇高な地球の再生計画の前では、個人の価値など取るに足らないと」と言う墓所の主に対して、ナウシカの返答は痛快です。「違う!命は闇にまたたく光だ!」

 

歌の翼に (トマス・M・ディッシュ)

高校生の時にこの本に出会ってよかった。何度も読み返したのです。「飛翔」とは、精神を開放し、世界を飛び回るフェアリーになること。幼い頃には母に、新婚初夜には妻にフェアリーになられてしまったダニエルの夢はもちろん、自分も「飛翔」することなのですが、彼には天分がなかったのです。私が自分の世界を広げようと思ったのは、この本の影響もあったのです。

 

銀河帝国の興亡 (アシモフ

SFの面白さを教えてくれた本。心理歴史学者のセルダンが予測した「銀河帝国の滅亡」による、長い暗黒時代を避けるため、人類の叡智を集めたファウンデーションが作られました。でも、それは2つあったのですね。「銀河に広がった人類にとって、辺境で放射能にまみれた地球が忘れられた存在」との設定が、狭いリアリズムにとらわれていた私の感覚をブッとばしてくれました。^^

 

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (遥洋子)

読書ノートをつけはじめる、ちょっと前に読んだ本です。タレントの遥さんが、フェミニズムの鬼・上野千鶴子ゼミで学生たちと一緒に学びます。はじめは、言葉も、何をやっているのかもわからない所から、彼女は何かを掴み取るのです。目的意識を持って学ぶことの大切さと、あらためて学び直すことの難しさをビシバシ感じました。私も今になって「何を学んでおけばよかったのか」を痛切に感じるのですが・・。

 

ルネサンスの女たち (塩野七生

塩野さんの最高傑作といえば『海の都の物語』・・と思っていましたが、もちろん今なら『ローマ人の物語』ですね。毎年1巻で15年かけて完結させるとの計画は遠い将来のように思えたものですが、ついに今年で完結。歴史にも素人で小説家でもない塩野さんが、これだけのものを書くというのは素晴らしい。鋭い知性と、歴史上の人物に惚れてしまう感性との組み合わせ、初期の本書でも感じます。

 

マルティン・ベック』シリーズ(ペール・ヴァールー、マイ・シューヴァル)

10年間にわたって10作品が書かれたスウェーデン発の「社会派警察ミステリ」ですが、「10年間の社会の変化」を俯瞰できるようなシリーズに仕上がっています。著者が警鐘を鳴らしていたのは、「アメリカ的社会の不可避的な到来」だったようにも思えます。

 

【その他】

・魅せられたる魂 (ロマン・ロラン

・ブラックダリア (ジェームズ・エルロイ)

・プリズンホテル (浅田次郎

・スカヤグリーグ (ウィリアム・ホアウッド)

 

2007/1